昨日は気持ちよく歩けたのに、今日は身体が重い。そんなとき、予定を変える前に「自分の頑張りが足りないのかな」と考えてしまうことはないでしょうか。
体調に合わせて暮らしを整えるには、毎日同じことをこなすより、今の状態を具体的に知ることが手がかりになります。今回は女性のウェルネスの中でも、月経周期と日々のコンディションに目を向けてみます。
周期を知ることと、予定を決めつけること
「月経周期に合わせて運動する」と聞くと、その時期ごとの正解が決まっているように感じるかもしれません。研究は、どこまで教えてくれるのでしょう。
2020年に発表された系統的レビューは、月経が規則的でホルモン避妊薬を使っていない18〜40歳の女性について、78研究、計1,193人のデータを検討しました。筋力や持久力などを周期の時期ごとに比べた結果、月経開始直後の時期に成績が低くなる傾向は、ごく小さいものでした。
ただし、研究の質は全体として低く、結果にもばらつきがあります。著者らは、周期だけを基準に全員共通の運動指針を作ることは難しく、個人に合わせて考える必要があるとしています。
これは運動能力についての研究です。「月経前のつらさは小さい」と示したものでも、すべての年代や体調に当てはまる結論でもありません。
出典:McNultyら(2020)月経周期と運動パフォーマンスに関する系統的レビュー・メタ解析
知識を得たあとに、「では、自分の場合はどうだろう」と確かめる余地を残しておきたいと思います。
「なんとなく不調」を、短い記録にしてみる
月経前に気分の落ち込みやだるさなどが現れ、月経が始まると軽くなる場合、PMS(月経前症候群)が関係していることがあります。日本女性心身医学会は、診断にあたり、少なくとも2周期にわたる毎日の症状の記録から、現れる時期や繰り返し方を確かめると説明しています。
記録を始めるなら、立派な日記にしなくても。以下は、自分の状態を言葉にするためのメモ案です。診断用のチェック表ではありません。
- 日付と月経:月経があったかどうか。
- 身体と気分:痛み、だるさ、気分の変化など、気になったこと。
- 眠り:よく眠れた感じがするか、眠気が残っているか。
- 暮らしへの影響:仕事に集中しづらかった、外出の予定を変えた、いつもどおり過ごせた、など。
「今日はだるかった」だけでなく、「午後の仕事が進めにくかった」と一言添えると、困っていることを具体的に伝えられます。調子のよい日も残しておくと、不調の日との違いを振り返りやすくなります。
歩く日も、休む日も、自分で選び直す

たとえば、散歩の予定を短くする。今日は休んで、別の日に歩く。予定どおりに過ごせそうなら、そのまま楽しむ。こうした選択を、できた・できなかったの二択だけで評価しなくてもよいのではないでしょうか。
記録は、頑張れた日を数えるためのものにせず、次の予定を考える材料にする。「この時期は必ずこうなる」と決めつけず、その日の自分の感覚も確かめる。私たちは、そんな使い方を提案したいと考えています。
つらさを「いつものこと」で片づけない
仕事や日常生活に支障が出るつらさは、一人で我慢を続けず、婦人科などで相談してください。記録は相談の助けになりますが、2周期分が揃うまで受診を待つ必要はありません。月経との関連も含め、医療者と一緒に確かめていくことが大切です。
SWANが大切にしている、食べる楽しみも、身体を大切にすることも諦めないという考え方。そのためにも、何かを一律に我慢する前に、自分がどう感じているかを知る時間を持ちたい。今日の身体と気分を、短い一行から残してみませんか。